プレス・パイプ・板金・溶接加工 他社にはできない困難な課題を解決
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はじめに

前回の技術コラムでは、「パイプ曲げ加工に求められるもの」について解説させていただきました。
本編では「回転引き曲げの基本メカニズムと加工用語・判定基準」について解説させていただきます。
まだ、「パイプ曲げ加工に求められるもの」について、ご覧になっていない方は下記リンクよりご確認ください。

前回のコラムはこちらから!

【目次】

 

             ①パイプ曲げ加工用語について

 

             ②回転引き曲げ方式のベンダーの構成

 

             ③曲げ加工に考慮すべき数値

 

             ④芯金(マンドレル)の設定

 

 

パイプ曲げ加工用語について

パイプ部品の曲げを行う上で使われる加工用語をまとめています。プレスや板金加工で使われる用語と少しかぶる部分もありますが、パイプ部品の加工特有のものもありますので、理解を深めてください。
3次元形状にパイプ部品を曲げる場合によく使われる用語を説明します。曲げ加工を行う際に注意する現象にNo7扁平(扁平率)、No9曲げ半径、No12楕円化、No13肉厚比、No14傾点角、No15スプリングバック、No19しわ、曲げ加工設備関係はNo21曲げ型、No22クランプ、No23圧力型、No24芯金(マンドレル)、No25ワイパー、No26ブースターが有ります。前半の現象を改善するため調整を図る金型や付帯設備が後半になります。但し、No26のブースターについては設備導入時に予め取付けておく必要のあるものですから、設備によっては機能がないものもあります。

回転引き曲げ方式のベンダーの構成

回転引き曲げ方式は「主なパイプ曲げ加工方法」でも少し述べましたが、主流の加工方法であり詳細に説明をしたいと思います。この曲げ工法が主流となっている理由に、曲げ精度が高く、パイプ管径に広く対応が可能(設備能力による)であること、3次元形状の曲げ加工が可能であること等が有ります。パイプの曲げ加工を行う上で、曲げ内側の圧縮応力と曲げ外側の引張応力に対しても緩和し対応できる設備構成が大きな理由の一つと言えます。
下図は回転引き曲げ方式の曲げ加工部を示したものです。ワークのセット時には、締め型、圧力型は曲げ型と離れた位置にありクランプも解放されています。下図左が加工開始時の状態になり、既にワークがセットされています。この状態から締め型、曲げ型が曲げ型を中心に回転し曲げ加工が完了(下図右)します。曲げ加工時に、パイプの外側には引張応力が発生し、曲げの内側に変形していきます。芯金(マンドレル)は引き曲げした時の内側への変形防止を目的に取付けしています。曲げ半径が小さくなるほど変形が起きやすい傾向にあり、芯金の径と取付け位置が重要となります。取付け位置、芯金の径については後ほど説明します。
曲げ半径が小さく、ワークの肉厚が薄い加工条件では、パイプ内側に発生する圧縮応力が過大となると、曲げの内側には「しわ」が発生します。このしわを防止するため「芯金」や「ワイパーダイ」を取付けます。通常では芯金を入れることでしわはある程度改善できますが、これでもシワが抑えきれない場合にはワイパーダイによりしわを伸ばし曲げ加工時の曲げ内側の「波うち現象」を防止します。
曲げ半径が小さい場合や、曲げ加工度が90度以上に曲げる場合には、パイプの外側は引張応力が高くなり板厚が減少する「減肉」が発生します。また曲げの内側には、圧縮応力により板厚が厚くなる「増肉」が発生します。特に曲げの外側の減肉はパイプの「割れ」や「耐圧不良」につながる事からワークのクランプ側から加圧し曲げ加工を行う機能(ブースターと呼ぶ)を有した設備が有ります。この機能がある設備であれば曲げ半径が小さい加工や90度以上の曲げ角度の製品でも不具合を発生せずに加工することが出来ます。
3次元形状に曲げ加工を行う場合には、クランプを回転させることで傾斜角度を設けることで対応することが出来ます。

曲げ加工に考慮すべき数値

パイプ曲げ加工を行う場合に考慮すべき数値について説明します。様々な種類のパイプの曲げ加工を行い既に実績がある場合には用いることは少ないかもしれませんが、加工中にトラブルを起こした場合には、一度、再検証するために覚えておくと良いと思います。

①肉厚比
パイプ外形と板厚の比率を「肉厚比」と呼びます。先にも述べたように板厚の薄いパイプは曲げにくい傾向にあります。そこで、肉厚比が小さい(厚肉パイプ)と肉厚比が大きい(薄肉パイプ)で加工条件ごとに加工限界を把握しておくと良いと思います。肉厚比と曲げの難易度、推奨される曲げ半径は下表に示します。それぞれの設備仕様や金型の状態により変わりますので参考にしてください。

②曲げ係数
曲げ係数は曲げ半径Rをパイプ外形Dで割った比になり、この値が大きいほど曲げ加工は容易になります。値が小さくなると加工時には、マンドレルやワイパーダイを使用した加工条件や、ブースターを使用した加工条件を設定する必要が出てきます。この曲げ係数と、先の肉厚比は組合せて検討することが望ましい管理値となります。

③減肉率
曲げ加工後の板厚の減少状態を評価する指標で、特に圧力配管などの高圧の流体を流すパイプなどで管理が必要となる場合に使用します。減肉率が高い(肉厚が薄くなる)と耐圧性能が低くなる、疲労寿命が低下する、微細クラックの発生などが発生し、取付けされたパイプ部品が使用中に破損するなどの事故に繋がる可能性が有ります。

④扁平率/減面率
扁平率と減面率は関連した管理指標で、円形のパイプが曲げ加工によりつぶれた状態(楕円形状)の指標で曲げ部の扁平がひどい場合には、流量低下や流体の脈動が発生する事から使用する機器の性能に合わせてこの数値目標を設定されることが有ります。

芯金(マンドレル)の設定

芯金の設定を下図に示します。パイプ内に入れて加工を行うため、パイプ内径に対し、細すぎても太すぎても加工時の扁平不良や、曲げた後に抜けないといった不具合が発生します。一般的にはパイプ内径に対して0.5㎜~1.5㎜小さいものが良いと考えます。また、芯金の長さは芯金の径に対して3~5倍の長さで設定すると良いと考えます。
また、芯金は曲げ加工時にパイプ内面と常に接しているため、「焼付き」や「むしれ」を防止するため表面処理を施し対策をします。
加工時の設定では芯金の出代が重要になります。下図中の「e」に当りますが曲げ型の中心に対してマンドレル先端Rの中心までの長さで基本は下図中の式に値を代入し求め、実際に加工し曲げた状態を確認し微調整を行います。

芯金(マンドレル)の種類も複数あり、上記の「丸頭マンドレル」以外にも「スプーン型」「シングルボール型」「マルチボール型」が有り、ワークの材質や加工する形状に合わせ選択をすると良いと思います。

板金・パイプ加工のことなら、当社にお任せください!

今回はパイプ曲げ加工における加工用語・判定基準について解説しました。
弊社では高精度なパイプ曲げ加工から複雑な端末加工まで、難度の高い技術に幅広く対応しております。
蓄積されたノウハウと独自の治工具・設備を駆使し、三次元複雑形状の燃料配管や潤滑油配管等の製造を行っております。
さらに、近年ご相談が増えている水素やメタノールは引火性が高く安全対策として二重配管を必要とされます。
このような高機能なパイプ部品にも、確かな品質でお応えします。
「他社で断られた難しい形状」や「開発段階での困りごと」等がございましたら、当社へお気軽にご相談ください。
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