板金加工: 曲げ加工について(後編)
本記事では、板金加工における「曲げ加工」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
プレス加工の分類において、「素材の分離」に属する、せん断加工を行うための切断金型についてご説明します。
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まず、切断金型の加工原理について説明します。
図のようなせん断加工の荷重―ストローク線図に示す様に、板材をパンチ・ダイで切る過程で、パンチが材料に当たると、材料は①の様に「だれ」が形成されます。
更にパンチが降りていくとせん断面(1次せん断面とも言う)が形成されます。せん断面が形成され材料の耐力を超えると③クラックが発生します。この直前でせん断荷重は最大値(P)を示します。クラックが伸び最終的には④の様にクラックが連通(繋がる状態)となり荷重は急激に下がります。更にパンチが下降するとクラックは破断面となり切断が完了されます。パンチは下死点を過ぎると上昇しパンチから材料がストリッピングされます。
下図は、せん断加工により切断された被加工材の断面です。パンチが入る面から順に、だれ、せん断面、破断面、かえり(バリ)となります。
製品の特性上、だれやかえりを嫌う場合には、ファインブランキング工法により加工を行う場合もあり、加工の方法や、パンチ、ダイのクリアランスの設定により、断面の状態を改善する事が出来ます。また、せん断面を平滑な面にする場合には、クリアランス調整とパンチの角に微小Rを付けるなどの方法を取る場合も有りますが、プレス加工時の荷重が高くなり、金型への負荷も高くなる事から金型設計当初から、考慮することが重要です。
切断金型の構造を下図に示します。
上型のパンチにより被加工材を切断します。図に示す切断金型の材料押えは、固定ストリッパー方式の構造で、材料は固定ストリッパーのトンネル部分を通過し加工位置まで投入し、加工されます。可動式の方式も有り、切断する材料の板厚、材質に合わせて金型構造も適正な構造を選定します。
一般的には軟鋼板では、切断金型のパンチ・ダイスのクリアランスを、板厚に対し6~10%を設けます。精密な抜きを求める場合には2~5%に設定する事も有ります。クリアランスは、材質・板厚が変わると最適化が必要になります。
切断加工で加工された製品の課題として、下図の様に「ばりが製品にそのまま残る」ことが挙げられます。また、1つの切断線で加工されるため、ダイ上の材料は跳ね上がり、切断される側の材料は下に倒れるため、切断面が斜めになります。この2つの課題がありますが、「ばり」の対策は困難です。切断面が斜めになる現象は、クリアランスを小さくする等で解決できることがあります。
当記事では、切断金型についてご説明させて頂きました。以下にて、プレス金型・プレス加工に関するコラムを掲載しております。是非ご確認ください。
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