板金加工: 曲げ加工について(後編)
本記事では、板金加工における「曲げ加工」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
金属の溶接方法には、アーク溶接やレーザ溶接など、様々な種類が存在します。各種溶接にはメリットやデメリットがありますが、それらを把握することで、適切な溶接方法を選定でき、高品質化及び最適コストの実現が可能となります。
ここでは、様々な溶接方法のメリットとデメリットをご説明させて頂きます。
スポット溶接とは、溶接する金属の上下から電極を当て大電流を流すことで、金属を溶接する方法です。大電流を流した際に金属同士が加熱され金属が溶け、接合されます。
①溶接速度が速い。
②自動化しやすくFA(ファクトリーオートメーション)に向いている。
③消耗部品が少ない。
④溶接方法と比較し、作業員の技術力に依存しない。
⑤異材の溶接に向いている。
①電力設備が大きく、一次電源まで含めると機材が高い。
②瞬間的に高電流が発生するため、他の電気設備に影響が出る。
③母材の厚さ、材料によって電極を変える必要がある。
④適切な非破壊検査がない。
⑤スポット打点距離が近いと分流し溶着しないため、適切な距離をとる必要がある。
レーザ溶接とは、レーザ光を集光して金属に照射し、金属を溶融・凝固することにより接合する溶接方法です。CO2レーザ溶接、YAGレーザ溶接、ファイバーレーザ溶接、ディスクレーザ溶接などの種類があります。
①加工時間が短い(高速溶接が可能)。
②電気や磁力の影響を受けない。
③微細加工が可能。
④異材接合が可能。
⑤電極管理が不要
①溶接箇所において、高い部品精度が必要。
②部品精度を吸収できる、剛性の高い溶接冶具が必要。
③部品同士の隙間が大きいと、クラックやブローホールが発生する。
④レーザ光の反射対策など、他の溶接方法と比較して安全対策が重要となる(失明の恐れあり)。
⑤他の溶接方法と比較して、設備導入に費用が掛かる。
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被覆アーク溶接とは、母材と同様の材質の被覆アーク溶接棒を電極として、溶接棒と母材の間にアークを発生させることで金属同士を接合する溶接方法です。
①外部環境に影響されにくいため、屋外での作業が可能。
②設備価格が安価で保守点検も容易。
③手作業が前提で、素材・構造に左右されず溶接が可能
①溶接速度が遅い。
②スラグ処理が必要。
③多量のヒュームが発生する。
④作業習熟度により、仕上がりが変わる。
CO2アーク溶接とは、ガスシールドアーク溶接の一種であり、シールドガスに炭酸ガス(CO2)を使用する溶接方法です。シールドガスとは、溶融金属の酸化を防ぐことを目的に使用されるガスのことです。
①炭酸ガスが安価であり、ランニングコストを低減できる。
②薄板鋼板の溶接に向いている。
③アークの状態を確認しながら作業が可能。
①厚板鋼板の溶接には向かない。
②発生した一酸化炭素を吸わないように換気に注意が必要
③スパッタが比較的発生しやすく、接合面の外観が悪くなりやすい。
④シールドガスを使用するため、風の影響を受けやすく、ブローホール等の溶接欠陥が発生しやすい。
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MAG溶接とは、ガスシールドアーク溶接の一種であり、シールドガスにアルゴンガス(不活性ガス)と炭酸ガス(CO2)の混合ガスを使用した溶接方法です。
①MIG溶接と比較すると、溶け込みが深くなる。
②CO2溶接と比較すると、スパッタの発生が少ない。
①炭酸ガスとアルゴンガスの混合ガスを使用するため、非鉄金属(アルミニウム等)には使用できない。
②ガスを使用するため、風の影響を受けやすい。
③MAGガスは供給メーカーごとに配合成分が異なるため、ガスに合わせた条件設定が必要。
MIG溶接とは、ガスシールドアーク溶接の一種であり、シールドガスにアルゴンガス(不活性ガス)を使用した溶接方法です。
①溶接速度が速く、仕上がりが美しくなる。
②ステンレス材、アルミニウム材等の非鉄金属にも使用できる。
①アルゴンガスが高価でコストが高い。
②アルゴンガスはアークが広がりやすく、接合面の溶け込みが浅くなり、溶け込み不良が発生しやすい。
③ガスを使用するため、風の影響を受けやすい。
TIG溶接は、アーク溶接の一種で、アークを発生させる電極にタングステンを用いて、シールドガスの不活性ガスを用いた溶接方法です。
①薄板鋼板、複雑な形状など、精密な溶接が可能。
②溶接後の仕上がりが美しい。
③不活性ガスを用いるため、スパッタがほとんど出ない。
④電極の消耗が少なく、長時間の連続溶接が可能。
①ガスを使用するため、風の影響を受けやすい。
②溶接速度が遅く、大量生産には向かない。
③不活性ガスが高価なこと、溶接速度が遅くなることにより、コストがかかる。
④仕上がりが作業者の熟練度に左右されやすい。
スタッド溶接とは、スタッドボルトやスタッドナットを金属に接合する溶接方法です。電力アーク方式や、ショートサイクル方式、コンデンサ方式といった種類があります。
①溶接時間が短く、母材に与える影響が少ない。
②溶接品質が技量に左右されない。
③生産性と接合強度が高い。
①溶接可能な箇所と不可能な箇所がある。
②明確な検査方法がない。
一般的な溶接方法のメリット・デメリットについて、ご紹介させて頂きました。
当社は、充実した溶接設備と、高度な溶接技術を保有し、皆様から選ばれ続けてきました。溶接加工品について、お困りの方、お悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社にご相談ください!
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