板金加工: 曲げ加工について(前編)
本記事では、板金加工における「曲げ加工」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
板金加工において、加工方法、加工工程、使用する設備を決める最も重要なステップが部品展開になります。特に、近年の傾向として製品(部品)が集約され多機能化されています。
以前には2部品3部品で構成していたものが、1部品に集約される事で複雑な形状となってきています。これにより製品(部品)の付加価値が高くなる一方で、製品形状も複雑になり部品毎の組合せや接合形状も高度な物となってきております。
板金加工では、使用される材料も様々で使用する材料の特性も考慮したものづくりが必要となります。
板金加工では上記の様に鉄系の材料、非鉄系の材料を製品の用途や機能に合わせて使用されます。特に材料において注意が必要な内容で、寸法に影響する所で、材料の硬度や引張り強さが有ります。曲げ加工を行う上で、この2つの特性は曲げ加工時の延びやスプリングバックに影響しますし、外観では外形加工時の傷や、曲げ加工時の型跡が問題となる場合が有ります。
現在、板金加工機でブランク加工にターレットパンチプレス(以降タレパン)機、レーザ加工機や、レーザタレパン複合機等を使用する様になってきていますが、レーザ加工機でも「CO2」レーザ加工機では、銅材の加工が出来ないと言った制約があり、設備の選定時に「ファイバー」レーザ発振器を搭載した設備や、タレパン加工を指定する必要があります。
板金加工のブランク加工に使用する材料も、歩留まりを考慮し使用する材料サイズを指定します。この材料についても下表に示す様な材料サイズが鋼板として流通しており製品のブランクサイズ、種類などを考慮し最も歩留まりの良い材料を入手し、ブランク加工を行います。
先にも述べましたように、板金製品の場合には複数の部品が取付けられる事が多く、同一の材質、板厚の場合には1枚のシート材から複数種類の部品を取る「ネスティング」を行う事で材料の有効活用をしています。
受注しました製品の使用材料を考慮し、部品展開の工程で、構成部品1点1点に分解します、次に1部品毎に加工方法の設計を行い展開図面を作成します。現在では、お客様からのCADデーター(図面)から、製品の展開を自動展開しブランク加工機(タレパン、レーザ機)へのCAMデーターまでを作成する様になってきていますので、ここでは展開作業の基本的な内容を説明します。
下図は、2辺を曲げ加工したトレー形状の部品図ですが、この製品を展開したのが下図右側の形状となります。製品形状を展開するとシート材の一部に切欠きがあり、2辺を曲げ加工する様になりますが、展開寸法のA寸法B寸法と切欠き寸法を求める必要があります。この展開寸法は下記に表記している様に製品の外形寸法を足し、α(曲げの時の延び量の補正値)を引いた寸法になります。この補正値を引いておかないと、それぞれの曲げ高さ、全長、全幅寸法が必要な寸法通りに仕上がらない事になります。
また、曲げの補正値は、材料の板厚と曲板機(ブレーキプレス)の曲げダイスのⅤ幅により変わりますので、曲げ加工の条件も考慮し適正な補正値で展開をする必要があります。(90度曲げの補正値についての例がアマダ様のWebサイトに有ります。)
この部品展開が出来ると、材料から部品のブランク加工を行っていきます。また、展開図には曲げ加工の基本情報が盛り込まれていますのでこの情報を曲げ加工工程に展開する事で部品の曲げ方向(上記の様に正面から見て「谷」、「山」という風に表記)や曲げ加工時のバックゲージの寸法指示をする事ができます。
最近の製品は、複数の部品が組合され1つになる事が多い事から、部品展開の時点で、それぞれの部品の位置決めについても考慮をする必要があります、この位置決めについても、部品の接合方法が、スポット溶接の場合やアーク溶接(MIG、MAG、TIG溶接)で指示されますと、接合方法の特徴に合わせた位置決め方法を盛込みます。
部品と、子部品の位置決めの事例を上図に示します。
この事例のエンボスガイドの場合には子部品の位置決め精度の高い方法になりますが、本体にエンボス成形を施しますので、外観面となる場合には不向きです。もう1つのケガキ線方式の場合には位置決め精度は低いものの、本体の表面側には加工の跡が残らないため外観を重視する様な製品の場合には有効となります。
この様な部品の位置決めについては、お客様の商品としての機能や外観品質と言った要求仕様が有りますので、受注を受けた際の事前確認を行う必要があります。
部品の位置決めがいずれも不可である場合には、位置決め治具を製作し取付けを行う必要があります。
また、曲げ加工時には、下図に示す様に曲げの板内では圧縮応力が働き、板外では引張応力が働きます。この曲げ加工を行うと、板内の圧縮応力が加わった所は内Rが小さくなると余肉が端面部にはみ出す現象が発生します。
このはみ出しが発生し端面と平面で組合わせた接合部には隙間が生じる事で、溶接時の歪の原因となる事が有るため、曲げの部分をわずかに小さくする様な改善を施すことが有ります。この様な加工の一工夫は製品外観では見わかる事ができませんが、高精度な部品を製作する上での重要な作業となります。
部品展開のステップでは、この様に、受注した製品の形状をシート材から要求仕様に合わせた形状にするため、展開形状を決める部品展開のステップが板金加工工程におけるキーステップと言っても過言では無いと言えます。
今回は、板金加工における部品展開について解説しました。
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