プレス・パイプ・板金・溶接加工 他社にはできない困難な課題を解決
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トランスファープレス加工をはじめとした、プレス加工をご説明!

当コラムでは、トランスファープレス加工をはじめ、プレス加工工法についてご説明します。当社の独自ラインである、3連トランスファーダンデムラインについてもご紹介しますので、是非参考にしてください。

【当社独自設備、絞り加工に特化した3連トランスファータンデムラインを動画でご紹介!】

プレス加工工法について

プレス加工は、大量生産に適した加工方法ですが、加工工法と加工設備は時代の変化や部品精度に合わせて進化しています。市場の状況に合わせて、プレス部品も高精度化され1/10台の精度から1/1000台の精度まで、高精度化されるようになってきました。1/100台、1/1000台の公差内で部品を製作する上で金型精度は必須要件ですが、高精度金型を使いこなすためのプレス機の高精度化も必要となります。

弊社でも約35年前には、小型ピンクラッチプレス(60t迄)を主流に生産してきましたが、時代と共に汎用クランクプレス(150t)や、ダブルリンクプレス機(500t)サーボプレス(80t、200t)などを導入し生産を行ってきました。

プレス加工の工程設計について

プレス加工工法の設定を行う上で重要な事項が、工程設計になります。工程設計で製作する製品の精度を確保できる工程を検討し、金型設計に反映し金型製作・加工トライ調整をへて製品完成となります。
工程を決める上で、製品加工数量も重要な要素の1つです。生産数量が月産、1個~20個程度の数量と、月産5000個以上の製品では、当然、加工工法は変わります。

プレス加工品 完成までの流れ

 

工程設計で重要な、「生産性」「生産の順応性」の観点

プレス加工を含む金属塑性加工の各種を、「生産性」と「生産時の順応性」で見ると、下図の様になります。

生産の順応性とプレス加工の種類

専用機であれば生産性は高いのですが、生産の順応性は低くなり、多品種対応が難しくなります。順送加工、トランスファープレス加工は、プレス金型を交換することで生産の順応性は高くなり、専用自動機に次いで生産性が高い加工法です。
加工する製品の形状に合わせてラップする範囲があり、この範囲については、自社が得意とする工法と、生産量、価格等経済性の観点から評価し、製造方法を決定していく必要があります。

プレス加工の種類

ここからはプレス加工の種類についてご説明します。

単発加工

比較的生産数量の少ない部品に適用される加工方法です。単発加工のメリットとして、金型製作費用が比較的安価な点、切断材を使用する事から無駄が少なく歩留まりが良いという点が挙げられます。
金型の種類を以下に記載しておきます。

・外形抜き型

シート材、コイル材から外形形状を打抜く金型です。

・曲げ型

外形抜きをした物を任意の角度に曲げ加工を行う金型です。曲げの種類としてⅤ曲げ、L曲げ、U曲げ等があります。

・絞り金型

シート材から、丸、四角形状や異形形状に絞り加工を行う金型です。絞り金型により成型する絞り形状には、円筒、角筒、異形、円錐、角錐、球頭などの種類があり、自動車、自動2輪車等の燃料タンクや、モーターケースも絞り加工で成形されます。

・切断型

製品形状とする際の不必要な部分を切り落とす加工を行う金型です。

・鍛造金型

材料を圧縮する事で材料を流動させて成形する金型です。ワークに荷重を掛ける事で任意の形状に成形する金型で、冷間鍛造用、温間鍛造用、熱間鍛造用が有あります。

タンデム加工

プレス加工機の設置距離を極端に縮めて、加工できる様にした加工方法をタンデムプレス加工と呼びます。複数の加工工程を必要とするプレス製品をタンデムラインに並べる事で、複数工程を一貫生産する事ができます。また、プレス機間をロボット等で繋ぐことで自動化を図り、省人化したラインを設置する場合も有ります。近年では、複数のトランスファープレスを経て加工するタンデムラインも有ります。

順送プレス加工

順送プレス加工は、大量生産に向いたプレス工法です。製品の形状やサイズにもよりますが、40~250SPM(1分間に40個~250個加工できる)で加工することが可能です。更に、加工する乗数を2条、3条と増やすことで2倍3倍の加工数を確保する事ができます。この様な高速でのプレス加工を行う場合には、プレスにおけるスクラップの浮上がりや、バリの管理を行わなければ、直ぐに不良の山となるため管理が非常に重要となります。
コイル材を使用し加工を行うため、これに伴う順送金型が必要である。また、加工設備にもプレス機にコイル材を投入するためのアンコイラー、材料を伸ばすレベラー、材料の送り装置が必要となる事から設備費用も高額となります。
また、単発加工に比べ金型が大型化するため金型費用が高額となります。製品形状に制約が有る事と、コイル材から加工するため、歩留まりが悪いというデメリットが有ります。

順送プレス加工の加工例

順送プレス加工の加工例

トランスファープレス加工

トランスファープレス加工は、順送プレス加工と同様に、大量生産に向いたプレス加工工法です。順送プレス加工に比べ製品形状の自由度が高く、深絞りのプレス加工にも向いています。しかし、フィードバーを介した送り装置にて、プレス加工に連動しワークを搬送するため、加工速度は20~30SPM程度となります。
複数の工程を繋げて加工する方法は順送プレス加工と同じであるが、各工程は単独(単発加工)で加工され、前後の工程を2次元または3次元送り装置で搬送し加工します。
トランスファープレス用金型の設計時には金型を一定ピッチで配置する事と、金型のダイハイト高さを統一する必要があります。また、プレス加工時の前後の荷重バランスを取りながら成形をする必要があり、金型設計、製作には高いノウハウが必要となります。

当社の絞り加工に特化した3連トランファーダンデムライン

金属塑性加工.comを運営する高橋金属は、絞り加工に特化した3連トランスファーラインを導入しております。

3連トランスファータンデムライン

 

3連トランスファータンデムライン導入の背景

モーターケースの様な工程数の多い絞り製品の加工を行う上で、3連トランスファーダンデムラインを導入しておりますが、高精度な絞り加工を行うにあたり次の3つの工法が検討されました。

① 加工長さを確保しやすい単発加工により行う
② 加工ストロークを確保しやすいトランスファープレス機により行う
③ ダブルリンクプレスをタンデムに配置し行う

生産数量の確保や品質の安定化を配慮すると①の工法が除かれ、専用設備化し生産品が限られる②案が除かれ、③の工法であるダブルリンクプレス(300tonサーボプレス)を3台配置し、工程間をトランスファー装置で搬送する現在のラインが導入されました。

3連トランスファータンデムラインの特徴

当タンデムラインの3台のプレス機はサーボプレスです。サーボモーションの活用により、通常のクランクモーション、リンクモーション等を活用できます。また、下死点付近を繰り返し上下する振り子モーションを活用する事から生産性が高く、加工時の衝撃を和らげるモーションの活用により、金型の耐久性を向上させる事も可能です。
当社の3連トランスファータンデムラインは、高精度な絞り加工製品に対応でき、多様な仕様にフレキシブルに対応ができる装置となります。
また、自社製のイオン洗浄装置へ自動搬送されるため、人手を介すことなく洗浄まで一貫して行うことが可能となっています。

洗浄機

自動搬送される自社製イオン洗浄装置

3連トランスファータンデムラインの加工事例

3連トランスファータンデムラインでは、前述のとおり、高精度な絞り加工を行うことが可能です。加工事例をご紹介します。

・車載用モーターケース

車載用モーターケース当社独自設備の3連トランスファータンデムラインで生産した車載用モーターケースです。 緊急用ブレーキ部品のモーターケースとして使用されております。材料としては、 耐食性が溶融亜鉛メッキ鋼板に比べて10~20倍という特徴を持つZAM材(t1.6)を採用しています。一般的なトランスファープレスではなく3連トランスファータンデムラインにて生産することで、より多くの工程を1ラインで完結できるため、大幅なコストダウンと製造リードタイムの短縮につながりました。

>>詳しくはこちら!

・エアサス用モーターケース

エアサス用モーターケース車載用としてエアサス用モーターケースも製造しています。3連トランスファータンデムラインは、コスト面に圧倒的な強みを持つ以外に、偏心の荷重を分散させることが可能となり、従来のトランスファープレスに比べて、仕上がり品質を向上させることが可能となります。

>>詳しくはこちら!

 

プレス金型・プレス加工に関する基礎知識

トランスファープレスだけではなく、プレス金型やプレス加工に関する技術コラムを掲載していますので、是非ご確認ください。

■■■ 関連記事 ■■■

>>技術コラム:切断金型について

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絞り加工は当社にお任せください!

トランスファープレスをはじめとして、各種プレスにつきましてご説明させて頂きました。当社は、前述のとおり、絞り加工に特化したプレスラインを保有し、絞り加工のコスト・品質最適化を実現しています。
絞り加工品の生産委託先をお探しの皆様、絞り加工品にお悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社に御相談ください。

 

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金属塑性加工.comを運営する高橋金属は、設計から金属加工、そして完成品組立まで一貫した生産が可能な、国内有数の企業です。培ってきたノウハウや研究開発により生み出した独自技術を用いて、皆様に最大限のメリットを提供します。

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