切込み型のプレス加工とは、一般的に、プレスストロークの中でワーク(母材)にパンチが入り切断され、そこから更にプレスが降下する過程でワークが曲げられる事で、部分的に材料が起こされる形状が作られる加工を言います。
また、順送金型で絞り加工形状の製品を加工する場合には、製品とコイル材を繋ぐランスロット部の加工に切込みを入れる方式があります。ワークに切込みを入れる事で、絞り加工時の材料の流れによるコイル材(母材)の変形が発生することを、防止する為に行うことがあります。
↓ 無料ガイドブック「せん断加工の基礎知識」のダウンロードはこちら ↓
下図は切起こし加工の事例ですが、3カ所の切断部と1カ所の曲げ部で構成されています。この加工の金型断面形状を下図に示します。
ワークセット後のプレス機を起動するとラムが下降し、ストリッパプレートでワークを保持します、その状態で更に加工すると、パンチがワークに入り切断をしていきます、この時にはダイス部は空間となっている事で切断されたワークは変形しながら切れていきます。その後、プレス機が下死点位置まで降下した状態でワークは圧縮成形され、下図「切り起こし形状の加工例」の様な形状となります。
切起こし加工は上図の様に、ルーバー形状に成形する工法も有ります。ルーバー加工は主に機械装置内の冷却等を目的に設置されますが、設備内に粉塵や水が直接入らない様に“ひさし形状”に成形されています。
切込み加工の応用として、順送金型で絞り加工を行う場合のランスロット加工が有ります。この加工は下図に示す様に絞り成形部の周辺にスリット加工を施します。スリットは2種類あり、コイル材の材料幅方向(黒線)と材料の送り方向(赤線)に切込みを入れます。その状態で絞り加工を行うと、絞り成形部とコイル材の間にブリッジ(製品と材料の橋渡し)が形成され、コイル材が絞り加工時の成形に影響される事無く加工が出来ます。
このスリット加工によるランスロットの利点は、材料歩留まりを改善する点に有ります。しかし、スリットを入れる際にパンチで材料を擦るため、切りくずやひげバリが出やすく製品に打痕、傷等の外観不良が出やすいというデメリットもあります。
当記事では、切込み型についてご説明させて頂きました。以下にて、プレス金型・プレス加工に関するコラムを掲載しております。是非ご確認ください。
プレス金型~プレス加工については、当社にお任せください。
関連情報はこちら
本記事では、板金加工における「曲げ加工」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、板金加工における「曲げ加工」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、板金加工における「レーザタレパン複合機」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、板金加工における「レーザ切断」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、板金加工における「外形加工専用機」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、「板金加工における部品展開」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、「板金加工(工場板金)の全体像」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
今回は、プレス加工:冷間鍛造(後編) 複合押出し、密閉鍛造について紹介しています。ぜひご覧ください。
本記事では、プレス加工:冷間鍛造(前編) 型鍛造、前方押出し加工について紹介している記事になります。ぜひご覧ください。
本記事では、プレス加工:圧縮加工(冷間鍛造‐据え込み、修正仕上げ打ち加工)の特徴について紹介している記事になります。ぜひ最後までご覧ください!
本記事では、プレス加工:圧縮加工(冷間鍛造‐コイニング・ポンチング・刻印加工)の特徴について紹介している記事になります。ぜひ最後までご覧ください!
本記事では、成形加工(縁曲げ(フランジ成形、カール成形)、口絞り成形、矯正及び型打ち)の特徴について紹介している記事になります。ぜひ最後までご覧ください!
本記事では、成形加工(エンボス加工、バルジ張出し加工、つば出し加工)の特徴について紹介している記事になります。ぜひ最後までご覧ください!
本記事では、張出し加工と絞り加工の違いについて説明をしています。 是非、ご確認ください。
本記事では、角絞り加工時に起こる引けの抑制方法について、説明しています。是非、ご確認ください。
本記事では、深絞り加工の基礎についてご説明しています。深絞りの定義や知っておくべき数値、絞り加工油や絞り金型について解説していますので、ご確認ください。
本記事では、絞り加工のトラブル事例、割れ不良・絞りキズ・底部変形について説明しています。是非ご確認ください。
本記事では、絞り金型と絞り加工のトラブル事例について詳しく解説しています。是非ご確認ください。
本記事では、プレスの絞り加工について、プレス加工のプロフェッショナルが解説いたします。
本記事では、プレス曲げ加工の一つであるカール曲げ加工(カーリング)の種類と加工工程について、プレス加工のプロフェッショナルが徹底解説いたします。
本記事では、曲げ加工において大きな問題となるスプリングバックの原因と対策、そして曲げ加工の種類について、プレス加工のプロフェッショナルが徹底解説いたします。
プレス加工は、目的とする製品形状や品質によって分類することができ、その数は数十種類とも言われています。これらは、パンチとダイで素材を分離するせん断加工と、板材を目的の形状に変形させる塑性加工という2つに大別されます。本コラムでは、せん断加工をさらに細かく分類した8種類の加工法についてご紹介します。
精密せん断加工(英:Precision Shearing)とは、トラブルの元となるダレ・破断面・バリといった断面形状を可能な限り無くし、綺麗な切断面を得るためのプレス工法になります。本コラムでは、4つの精密せん断加工についてご紹介したうえで、その中でもファインブランキング加工と対向ダイスせん断法について深く掘り下げて解説いたします。
本記事では、パイプ加工の中でも難易度が高いとされる3次元曲げと端末加工技術について、パイプ加工のプロフェッショナルが詳しく解説いたします。
プレス加工の一つ、シェービング加工をご存じでしょうか?シェービング加工は、通常のプレス加工では得られないせん断面を得ることができる工法です。本記事では、シェービング加工と板厚の全面にせん断面を得るための加工ポイントについて、プレス加工のプロフェッショナルが徹底解説いたします。
当記事では、プレス加工の”縁切り型”について詳しく解説しております。縁切り型の特徴や種類、構造について詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
当記事では、プレス加工の”分断型”について詳しく解説しております。分断型を使った分断加工のポイントや加工事例についてもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
当社の高度コア技術である型内ネジ転造加工技術と加工事例についてご紹介しています。生産中の動画もご確認頂けますので、是非ご覧ください!
当記事では、切り込み型について説明しています。ルーバー加工やランスロット加工についても併せて説明していますので、是非ご確認ください。
金属の溶接方法には、アーク溶接やレーザ溶接など、様々な種類が存在します。各種溶接にはメリットやデメリットがありますが、それらを把握することで、適切な溶接方法を選定でき、高品質化及び最適コストの実現が可能となります。 ここでは、様々な溶接方法のメリットとデメリットをご説明させて頂きます!
当コラムでは、QCD全ての面でメリットを提供するネットシェイプとニアネットシェイプを、実現するための理想的な加工法をご説明します。 ぜひご一読ください!
当記事では、穴抜き型についてご説明させて頂きます。
金属塑性加工.comを運営する高橋金属では、11軸・9軸・8軸の多軸溶接ロボットを保有し、大物溶接品の溶接に対応しています。また、大物製品の組立まで対応できるOEM生産体制を構築しています。大物製品のOEM委託先をお探し中の皆様、お気軽に当社に御相談ください。
当技術コラムでは、せん断加工の中で基本的な加工である打抜き加工に使用される、打抜き金型ついてご説明します。
プレス加工の分類において、「素材の分離」に属する、せん断加工を行うための切断金型についてご説明します。
今回の技術コラムでは、プレス金型の設計に焦点を当て紹介をしていきたいと思います。
金属における加工方法の一つである鏡面加工について説明します。金属塑性加工.comの視点で、詳しく解説いたしますので、参考にして頂けますと幸いです。
金属における加工方法の一つである塑性加工について説明します。金属塑性加工.comの視点で、詳しく解説いたします。
溶接方法の中でもメリットが多いとされるロボットによるファイバーレーザ溶接の課題やデメリットについてご説明します。課題を解決する当社のコア技術についてもご説明しますので、是非ご確認ください。
理想的な工法とされるネットシェイプ・ニアネットシェイプを可能とする塑性流動成型加工の一種である冷間鍛造加工についてご説明させて頂きます。
トランスファープレス加工をはじめ、プレス加工工法についてご説明します。当社の独自ラインである、3連トランスファーダンデムラインについてもご紹介しますので、是非参考にしてください。
プレスFEM解析技術、溶接熱歪解析技術を持つ当社が、CAE解析についてご説明させて頂きます。合わせて、FEM解析やFVM解析、当社のコア技術についてもご紹介します。
当社の表面処理鋼板材接合技術を用いることで、メッキを剥がさずにZAM材を溶接することが可能となります。
アーク溶接における溶接欠陥の発生原因を紹介します。