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当コラムでは、角絞り加工について紹介します。

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角絞り加工について

円筒形状の絞り加工に比べ角絞り加工の難しい所は、円筒の場合には全周から均一に材料が流れ込むのですが、角絞り加工の場合には下図に示す様に4カ所にコーナー部がある事で材料の流れ方が異なる所に有ります。

具体的には、角絞り加工を行うとコーナー部は材料が2方向から入ってくるため材料の流れが悪くなり、フランジ部は引けが少ない状態になります。また、下図のように長辺と短辺で構成される場合には、引けの発生も短辺側で少なく、長辺側で大きく引ける現象が出ます。これは、直線部はコーナー部と比較し抵抗が少ないため、材料が流れやすい事が要因です。また、入りすぎてしまうとキャニングと呼ばれる絞り加工の縦壁の面にベコツキが発生します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絞り加工時の「引け」を抑制する方法

絞り加工時の材料の「引け」を抑制する方法にフランジ部にビードを設置する例がありますので紹介します。

先にも述べましたが、角形状の絞りの場合には直線部分の材料が入りやすく、キャニング等の現象を発生させてしまいます。これを防止するため、直線部に材料の流れを抑制するビードを設けます。

これによりブランクホルダーとダイスの間でワークが掴まれ、プレス加工時の材料の流れを抑制する事ができます。その際の材料の流れ方を下図の「引け防止ビード機能」で説明します。

aのワークをセットした状態からプレス機のラムが下降するとbの様にダイスとブランクホルダーでワークが掴まれます。この時にワークはブランクホルダーに付けられたビードで変形します。そのまま更にプレス機のラムが降下するとcの様にワークがパンチとあたり順に絞られていきます。

この時に、ワークは下降に伴いながら金型内に入っていきます。ビードの取り付け方は、実際にプレス加工を行いながら、高さ、幅、長さを調整し最適な形状を求める必要があります。また、金型を長期間使用していると、このビードの摩耗により絞り形状が徐々に変化していきます。この変化は微小な事が多いため気が付くと、不良が発生している事も有るため定期的なメンテナンスが必要となります。

 

 

 

 

 

 

 

均一な絞り深さで長方形に絞る場合の材料ブランク形状の一例を下図に示します。プレス加工時の材料の体積は不変である事を前提とした場合には下図の様なブランク形状となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絞り加工時の加工油の選定や塗布も、絞り加工時の重要な要素となります。特に、角絞りの場合には、コーナー部と直線部ではコーナー部の方が高い応力が掛かるため割れや減肉が起こりやすいため、加工油を塗油する事や、パンチダイスに表面処理を施す事も必要となります。

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今回は、角絞り加工について解説しました。
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