板金加工:アーク溶接について
本記事では、板金加工における「アーク溶接」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
プレス加工:冷間鍛造(前編) 型鍛造、前方押出し加工の前編も掲載しておりますので、ぜひご覧ください!
型鍛造における後方押出しは、パンチの進行方向に対し反対に材料が流れ成形される加工方法になります。塊状の素材を成形するため、加工初期には材料の流動が起こりにくい事から、素材に凹み形状を設ける等の工夫する事で、加工性を高める事ができます。
また、パンチの先端形状にも凸形状を設けることで、加工初期の材料の流動を促す様にする場合も有ります。
リング形状のパンチを用い、円柱形状の素材を加工する事で下図のように成形する事もできます。
後方押出しの加工において、素材の断面積に対する中央部の穴の断面積の割合が重要となります。この断面減少率の目安は25%~75%に抑える事が必要となりますが、これを超える断面減少率が必要なる場合には、工程を複数回に分ける等の工夫が必要となります
複合押出し加工では下図の様な金型構造を取ります。パンチの反対側にはカウンターパンチを配置してあり、素材をセット後にプレスしていくと加工初期は材料の流れやすい前方(下側)へ成形されていきます。その後に、カウンターパンチはプレートに当たり止まると下側への材料の流れも止まり、更にパンチが下降する事で今度は材料が後方へ流れ始めます。プレスが下死点位置まで移動したら、プレス加工が終了します。この一連の加工が複合押出し加工と呼ばれるものです。
金型のパンチ先端形状も先の後方押出しと同様に材料の流れやすさを考慮した形状とすると加工性の改善を図ることができます。
側方押出し加工では下図の様に、素材を上下からパンチで押してダイスの側壁に設けられた開口部から材料を押出す加工になります。パンチで押込んでいくと、材料はダイスの開口部へ流れていき、下死点位置までパンチが降りると下図右のように成形が出来ます。
プレス金型の耐久性は加工する製品の形状や加工工法により変わります。一般的な鈑金プレス加工の場合では、摩耗しやすい切断工程の状態で、定期的な研磨などのメンテナンスにより数十万台から数百万台まで対応出来る物が有ります。
製品の企画台数(発売から生産終了までの数量)に合わせて、切れ刃の厚みや構造を変更する事で金型の耐久性は変ってきます。また、曲げ加工の工程においても、焼き付きを防止するためのメッキ処理ついても永久に持つものでは無く、定期的なメンテナンスにより金型の状態維持する事が出来ます。
一方冷間鍛造を行う金型では、鈑金プレス金型に比較し低く概ね1万ショットしか持たない場合も有ります。
製作する製品の形状により、高荷重を必要とする場合など金型の受ける圧力も高くなる事で、金型耐久性が低くなる事が原因ですが、金型を設計する段階で、金型部品の強度の検討、金型構造の検討と金型のメンテ性も考慮した金型の製作が必要となります。
今回は、プレス加工:冷間鍛造(後編) 複合押出し、密閉鍛造について解説しました。
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