板金加工:アーク溶接について
本記事では、板金加工における「アーク溶接」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
プレス加工の一つ、シェービング加工をご存じでしょうか?シェービング加工は、通常のプレス加工では得られないせん断面を得ることができる工法です。
本記事では、シェービング加工と板厚の全面にせん断面を得るための加工ポイントについて、プレス加工のプロフェッショナルが徹底解説いたします。
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シェービング加工は、プレス加工で打抜かれた製品の破断面を無くし、板厚の全面にせん断面を形成するために行なわれる加工方法です。下図に示す様にプレス加工を行うと普通せん断面が現れますが、切断面にきれいなせん断面が欲しい場合が有ります。この時にワークの端面部をわずかに削りとり仕上げる加工を「シェービング加工」と呼びます。
シェービング加工では、母材の板厚に対し3~10%程度の削り量を目安に設定し加工を行います。この削り量は薄い方がきれいな切断面が得られますが、ワークの板厚や普通せん断時の状態により、1回では全せん断が得られず、2回~3回のシェービング加工によりやっと全せん断面が得られる場合もあります。
シェービング加工の状態は大きく切削期と破断期に分かれ切削期では下図中AからBの方向に破断が起こるため、シェービングされた面にはきれいなせん断面が得られます。更に加工を進めていくと破断期に入り、この時の破断は下図中のA’からCへ入いるため加工面に破断面が現れ、肌が荒れた状態となります。切削期を長く保つ事が出来るとシェービング加工による加工面はきれいな状態を得る事ができ、この状態を保つ為の重要な要素にシェービング加工時の取りしろが有ります。また、普通せん断時の抜きダレの発生量や、破断状態に左右されますが、素材の状態により2回3回のシェービング加工を施す事によりきれいなシェービング加工面を得る事が出来ます。
一般的なシェービング加工時の板厚と材質毎の取りしろの関係を、下図のグラフに示します。どの材料を見ても板厚が厚くなるにしたがって、シェービング加工回数を多く設定する必要がある事が解ります。
また、シェービング加工時の加工速度も、加工面に大きな影響を及ぼす事が解っています、高速シェービング(7m/秒以上)を行う事で加工状態は切削域となるため、きれいなせん断面を得る事が出来ます。
シェービング加工を行う上で、ワークの位置決めが重要となります。例えば、穴内部をシェービング加工するためには、ワークにパンチが均一に掛かる様に設置しなければ、シェービング加工時の取りしろが偏りきれいなせん断面を得る事が出来ない為、対策として特殊パンチによる同時抜き(下穴加工後にシェービングを行う)工法が開発されています。
シェービング加工による仕上げ抜き加工では、加工時にシェービング屑が発生する事から、これに伴う圧痕等の品質不具合も発生するため、使われる事が少ない工法ですが、シェービング屑の対策を取る事により使用用途も広がります。
今回は、綺麗な全せん断面を得ることができるシェービング加工についてご説明させていただきました。
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※図表は、(社)日本金属プレス工業協会編『基礎から学ぶ実践プレス加工シリーズ プレス打抜き加工』120ページ下部の図表を参考に作成
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