パイプ加工:パイプ加工技術について
本記事では、パイプ加工技術の概要についてご紹介しています。ぜひご覧ください。

前回の技術コラムでは、ろう付け加工について詳しく解説させていただきました。
まだご覧になっていない方は、ぜひ下記リンクよりご確認ください。
前回の記事を読んでおくと、今回のテーマの理解がさらに深まります。
当社の事業分野の1つであるパイプ加工についてコラムを書いていきたいと思います。
当社が製作するパイプ部品は、大きく分けて2つの形態を持っています。その1つが産業用エンジンや工場プラントなどで、流体(空気、燃料、潤滑油、冷却水や排水など)を移送するものと、もう1つが設備の架台や補強部材などの構造体を構成するものになります。当社では先の「産業用エンジンに使用される配管パイプ」の製造を中心に行っています。
産業用エンジンに使用される配管パイプには大きく、燃料管、作動油管、冷却水管、空気管等があり、それぞれの媒体に合わせたパイプ設計図面に基づきパイプ部品の製作を行っています。左の写真は、船舶用のディーゼルエンジンですが、パイプ部品は複雑に入り組んだ形状で製作されています。これは、パイプ部品がエンジンを設計する上で最後に行われるためと聞いております。現在では、3DCADを用いた設計が主流で複雑な形状設計も自由自在に行うことが出来ますが、それ以前は、管接手とパイプ材を持ち込みエンジンに現合(現物合わせ)でパイプ部品を製作し量産することが主流であった時代がありました。
今では信じられないことです・・・。この頃のパイプには直線部がほとんどなく、曲線と曲線を繋ぎ合わしたような三次元形状で、パイプ成形治具を用い作業者が治具に合わせながら手作業で曲げ加工を行っており、作業の早い人では1日に何百本ものパイプを曲げ、不良も全くでない「職人さん」が何名も在籍していました。
現在のパイプ部品の製造方法は、3DCADの導入に伴いお客様の三次元形状の設計データーを基に、NC加工機のプログラムを作成し製造することが主流となり、手曲げによる製造方法はほとんど無くなりました。
下図に示すのが、パイプ加工工程の概要になります。原材料(後ほど詳しく説明します)を購入後に必要なサイズに1次切断を行います。この時には端末加工時の寸法変化や、曲げ加工時のクランプ代を見込み、長めに切断を行います。切断時には「のこ盤」や「バンドソー」「旋盤」などの設備を使用し加工します。切断が終わると必要に応じて端末加工を行います。先端の径を縮める、広げる、丸めるなどの端末加工を、油圧プレス機を用いて行います。次に、パイプの曲げ加工を行い必要な形状に曲げていきます。この際にはNCベンダーや電動ベンダーを用い行います。この際の曲げ寸法の確認には「パイプ治具」を用い、加工プログラムの補正を行い規格内の形状に加工していきます。
Φ10㎜以下の管径の細いパイプは中間に管接手を設け流体を分配できる構造にされます、また、大型船舶用ディーゼルエンジンや緊急発電用大型ディーゼルエンジンの配管部品でφ40㎜以上の鋼管では、パイプ中央部に「ねじ座」や「枝管」を設けられることがあり、この場合には、必要な径に穴あけ、開先加工を施します。曲げ加工や穴あけ開先加工が終わると2次切断を行いパイプの部品の必要寸法に整えます。
流体を移送するためのパイプの場合には、「パイプ」と「機関や設備」と接続するフランジや管接手を取付けします、接合には「アーク溶接」「ろう付け」などの工法により部品を取付けします。この時には溶接治具に部品を組付けた状態で作業を行います。パイプ端に部品の取付けや、パイプの中央部に「ねじ座」や「枝管」を取付けると、接合時の入熱により歪が発生し寸法が変化しますので、歪修正を行い図面寸法になる様に調整を行います。歪修正が終わると、漏れ検査、耐圧検査を行い接合部からの漏れや規格の圧力に耐えることを確認します。パイプ部品の製造工程は以上ですが、各種の流体を搬送する機能上必要な工程に、パイプ内部の洗浄(フラッシング)と、溶接やろう付けによる酸化被膜を除去する酸洗浄を行います。この工程もパイプ部品を製造する上で重要な工程となります。その後、必要に応じて表面処理を行い出荷となります。

ここまでが、流体を移送するためのパイプ部品の加工工程の概要となります。今回説明した工程は、一例であり、必要に応じて工程の組み換えや追加を行いながら最適な加工工程の設定を部品ごとに行います。
構造体を構成するためのパイプ部品には、生産設備の架台や、簡単なものでは手すり、踏み台(農機、建機などのステップ)があります。生産設備用の架台の場合には、パイプを溶接により組み合わせた後の歪修正が重要となります。設備の架台を基準に組立てていきますので、架台の平面が出ていないと設備自体の性能が出なくなります。組付けた後に大型の切削加工機で全体の精度を出す様に加工を行いますが、歪の修正ができていないと削り込んでも精度は出なくなります。流体を移送するための気密性を求められる配管パイプと、設備の性能を出すための架台では求められる内容が異なりますが、どちらも厳しい要求があることにおいては違いがありません。
今回は、パイプ加工技術について解説しました。
当社では、高精度なパイプ曲げ加工から、複雑な端末加工まで、難度の高いパイプ加工に幅広く対応しております。蓄積されたノウハウと独自の治工具・設備を駆使し、シワや割れの出やすい薄肉パイプや、タイトな曲げ半径が求められる形状でも、歪みのない美しい仕上がりを実現いたします。「他社で断られた難しい形状」や「図面段階からの相談」がございましたら、ぜひ当社へお任せください。
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