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抵抗溶接とは

抵抗溶接は、接合したい2つの材料を電極でつかみ、極短時間で高電流を通電させることにより、材料の通電抵抗により発生する「ジュール熱」で材料を溶かすと同時に電極で圧力を加えることで2つの材料を接合する溶接方法です。
「ジュール熱」は、抵抗のある導体に電流を流した時に発生する熱エネルギーのことで、単位は「J」(ジュール)です。ジュール熱の大きさ(ここでは材料を溶かすための熱)は、抵抗に流れる電流の大きさによって制御されますので、身の回りでも多く使われてきました。炊飯器やこたつ、アイロンなど「熱」を使うものは大抵がジュール熱を利用しています。
少し話が脱線しましたが、材料に電流を流し、材料の抵抗を利用し熱を発生するので、元々、抵抗の低い材料であるアルミニウム材はスポット溶接の難しい材料になります、アルミ材のスポット溶接では、電流の流し方を工夫する必要があり、一瞬で数万アンペアから十数万アンペアを流すことができる溶接機になります。具体的には、「コンデンサタイプ」や「インバータタイプ」などの設備となります。また、溶接の難しい材料に「銅」があります。抵抗溶接に使われる電極の材質がクロム銅などで、溶接する際に電極と溶融してしまうなどの現象が発生するため基本的にできない材料と考え、ろう付けなどの接合方法を採用することをお勧めします。
抵抗溶接ではガス溶接などのように特別な資格もなく従事できることと、汎用設備では、比較的安価で、加工時間も短時間であることから広く活用されている加工方法となります。

抵抗溶接の種類と設備について

先の接合法の系統図にも記載されていますが、抵抗溶接にはスポット溶接、プロジェクション溶接、重ねシーム溶接があります。これ以外にも、板材や丸棒の端面を溶接するバット溶接もあります。これらの溶接方法はいずれも抵抗溶接の原理を用いた接合方法になります。
各設備について説明していきたいと思います。

1) スポット溶接機

下の写真は2種類ともスポット溶接機となりますが左側の設備は足踏み式スポット機で、溶接機本体からスポット溶接の電極まで懐が深く比較的大きいものも、中央部のスポット溶接ができるように、ホーンが長いものがついています。また、スポット溶接時の加圧が人力による加圧で、加圧力がバラツキやすいと言ったデメリットがあります。こういった設備では、スポット溶接時に高い加圧力を必要とする比較的板厚の厚い製品には向きません。また、足踏み式では加圧力が安定しないため、エア駆動式のものも販売されています。一番右側が、現在最も多く使用されているスポット機になります。
スポット溶接の設備では、溶接機以外には、電極を冷却するためのチラーや、冷却水を循環させて冷却するためのタンク、ポンプが必要となりますが、付帯設備もこの程度で済みますので、設備投資としては安価で済ませることができます。
系統図にある、プロジェクション溶接は、溶接を行う材料側の工夫をして接合する方法であり、定置式スポット溶接機を活用し溶接を行います。

2) シーム溶接機

シーム溶接機は、上下2つの円盤状の電極を持ち、それぞれの電極を回転させて連続溶接を行う設備になります。
シーム溶接機は気密性を必要とするタンクなどの接合に用いる設備で、自動車や産業用機械など、ガソリンや軽油の燃料タンクを製造するときの接合に用いる設備になります。連続で溶接を行うため、電極の冷却が難しい場合もあり、状況により電極に冷却水をかけながら接合する場合もあります。

3) バット溶接機

バット溶接は板材や丸棒などの材料の端面を押し付け通電しながら加圧することで接合する溶接機になります。下の写真はバンドソーに使用する鋸刃をバット溶接で接合しています。鋸刃などの硬度の高い材料の溶接では、接合後に焼鈍を行い、接合部の破損が起きないように接合します。また、自転車の荷物かごも、線材をバット溶接により接合し製作されています。

抵抗溶接の概要と加工設備について説明をしてきました。これから、具体的な抵抗溶接について説明をしていきたいと思います。

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今回は、板金加工における抵抗溶接について解説しました。
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