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プレス加工:圧縮加工(据え込み、修正仕上げ打ち加工)の特徴

圧縮加工について

プレス加工において、圧縮加工と表現されると全ての加工の総称のように聞こえますがここでいう圧縮加工は、「冷間鍛造」に区分される加工内容に該当します。冷間鍛造に関する全般的な内容は「塑性流動成形加工の一種、冷間鍛造加工とは?」の技術コラムにて説明しておりますので興味のある方はご覧ください。

>>塑性流動成型加工の一種、冷間鍛造加工とは?の記事はこちら

据込み加工について

据込み加工は自由鍛造に区分される加工方法に当たります。その他にも、鍛造加工の方法は有りますが、ソリューションサイト内の「塑性流動成形」の技術コラムをご覧ください。

このでは、据込み加工についてもう少し詳しく説明していきたいと思います。

据込み加工はアプセット鍛造とも呼ばれる加工方法で、加工事例では、円筒形状の素材をプレス加工により押しつぶし成形する加工に多く用いられます。製品としては、リベット、ボルトと言ったものが該当します。鍛造加工の特徴として、切削加工と異なり、材料組織が切断される事が無い為、高い強度が得られます。

据込み加工では、下図のように、主に円筒形状の材料に上下方向から圧力を掛けて変形させていきますが、全体に加工する場合や、部分的な据込み加工を行う場合が有ります。

下図には、素材毎の加工限界を示します。

上図に示す様に炭素含有量が0.3%以下の軟鋼板に近い材料や、アルミ合金、銅・黄銅等の比較的柔らかい材料では、限界据込み率が高く加工性は良いが、高炭素鋼、クロムモリブデン鋼(SCM鋼)、ステンレス鋼

等は、材料自体の強度が高く、据込み率の限界値も低くなっています。こういった材料に場合には、温間、熱間での鍛造加工の方が向いていると考えられます。

加工中に、材料の加工限界を超えると、「座屈」や「割れ」と言った現象が発生します。

下写真は据込み率の限界を超えた事で発生する割れ(写真は斜め割れ)です。また、素材の全長が長いものを据込み加工する事で、加工途中で素材が座屈変形を起こします。そのまま、加工すると据込みした部分に横割れの様な現象が発生します。こういった場合には状況により、2枚に割れる様に破損する事もあります。

修正仕上げ打ち加工 

修正仕上げ打ち加工と聞くと、聞きなれない用語と思われますが、「リストライク加工」の方が解りやすい方もおられると思います。「修正仕上げ打ち加工」とは、初工程で、完成品形状に近い形状にプレス加工した次の工程で図面通りの寸法に成形し直し加工方法となります。

下図は、自動車用コネクティングロッド(通称コンロッド)の加工例ですが、内燃機関のピストンは高速で上下運動します、この運動を回転運動に変換するのがコンロッドになりますが、コンロッドも高速で動作するため軽量で、且つ高い燃焼圧力に耐える様に、高強度化されています。この為、金属組織が切れない鍛造加工が多く活用されています。

ピストンやクランクシャフトと接合する部分とこの2カ所を繋ぐ部分では形状が大幅に違う複雑な形状であり、1工程では成形できない事から、第1工程で大枠の形状に成形し、その後、設計寸法に修正仕上げ打ちを行う工程設計を取っています。もっと複雑な工程の場合には工程数を増やして加工します。

鍛造加工においても、複雑な形状の製品を成形する為には複数工程の工程設計により設計します、これは、鈑金プレス加工に比べ、鍛造加工では高い加工圧力が必要となるため金型設計においても加工荷重を分散させる事で、精度よく加工する事が可能となります。

鍛造加工は、常温で加工する冷間鍛造加工、材料を変態点近くまで加熱して成形する温間鍛造加工、高温まで加熱して加工する熱間鍛造加工が有りますが、材料を高温に加熱すると成形性は良化しますが、逆に加工精度や金型耐久は低くなります。

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今回は、プレス加工:圧縮加工(冷間鍛造‐据え込み、修正仕上げ打ち加工)の特徴ついて解説しました。
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