板金加工:アーク溶接について
本記事では、板金加工における「アーク溶接」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
当コラムでは、理想的な工法とされるネットシェイプ・ニアネットシェイプを可能とする塑性流動成型加工の一種である冷間鍛造加工についてご説明させて頂きます。
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塑性流動成型加工とは、鍛造加工時に、材料が金型内で塑性流動し、求める形状に成形される状態を表現したものです。当コラムでご説明する冷間鍛造加工は、塑性流動加工の1種であり、ネットシェイプ・ニアネットシェイプを可能にし、コストダウン・高品質化・製造リードタイムの短縮を実現できます。
下図は、標準的な熱間鍛造、温間鍛造及び冷間鍛造の寸法公差と、他の塑性加工法ならびに切削加工により達成できる寸法公差を示しております。熱間鍛造では被加工材を1000~1250度まで加熱し金型内で成形加工を行う物でIT12~16の精度で加工が出来ます。温間加工では300~850度に被加工材を加熱し成形する事でIT11~14で成形が可能となります。熱間、温間鍛造では比較的大型の製品を対象に成形する事が多く、加工には被加工材を加熱為の加熱炉が必要な為、限られた製品になり、また、成形される製品の寸法精度も広いものしかできません。
一方で、冷間鍛造により成形が出来る公差はIT7~12であり、熱間・温間鍛造に比べ精度が高い製品を成形する事が出来ます。また、冷間鍛造のIT7レベルの製品であれば、精密せん断、旋削と同等の加工精度を確保する事が出来るため、従来の材料からの削り出しにより製作していた物からの工法変換によるコストダウンが可能となります。
参考:精密鋳造の概要|https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file4cbfc2e455d7e.pdf
塑性流動成型加工の一種である冷間鍛造加工は、ネットシェイプやニアネットシェイプを可能にするため、コストダウン・製造リードタイムの短縮を実現できます。コスト・リードタイム以外の大きな特徴として、高強度な製品を得られるという点が挙げられます。
冷間鍛造で製作された部品は、材料を塑性流動成形による加工を行う事から、組織が緻密化する事と、ファイバーフロー(繊維状組織)が切られる事無く成形する事が出来ます。また、プレス加工時の加圧により材料が圧縮応力が加わり、機械的性質が改善される事でも高強度な製品を得る事が出来ます。歯車などの場合には疲労強度が25~30%程度向上すると言われています。
冷間鍛造は回転形式と往復動形式が有り、当社が行っている往復動形式を紹介します。この鍛造加工法は一般的に自由鍛造、据え込み鍛造、押出し鍛造などの工法が有ります。ここでは、鍛造工法毎の内容・特徴をご説明します。
左図は据込み鍛造のイメージ図です。据込み鍛造の場合、外周を拘束せずに材料をつぶしていくため難しい形状は出来ず、単純な丸棒を円盤状にする場合などに使用します。
下図は後方押出し鍛造のイメージ図です。成形するパンチの方向に対して、材料は逆の方向(後方)に押出され加工されます。
下図は前方押出し鍛造のイメージ図です。成形するパンチの方向に対して、材料は同じ方向(前方)に押出され加工されます。
下図は型鍛造のイメージ図です。金型には成形したい形状が加工しており、ワークを入れ加工する事により、金型形状に成形されます。材料を金型の全域に充填するため、素材の体積は少し大きめにする事で金型内に充填後にバリ(余肉)として製品形状の外側にはみ出します。このバリは次工程で取り除く事となります。また、このバリが無い状態に成形する工法が密閉鍛造になります。密閉鍛造の場合にはバリが発生せず、最終形状に成形を行う事が出来ます。
下図は閉塞鍛造のイメージ図です。ワークを金型内にセットし、金型を閉じると金型の形状に倣って成形されます、ここから、更に上下パンチが移動する事で材料が押し流され、製品の形状に成形されます。
冷間鍛造加工では、金型内で材料を塑性流動させるため、材料に掛ける荷重が比較的高くこれに耐える金型構造が必要となります。この為、プレス加工時にワークが膨らみ外へ広がろうとする力に耐えられないと、金型が割れる事が有る為、ダイスを圧入し耐力を上げる構造を取り入れる事が有り、小さな製品でも、比較的大きな金型となる事もあります。また、材料と金型の焼付きを防止し材料を流すため、金型表面の表面処理や加工油の選定や材料にボンデ処理(リン酸塩被膜処理)を施すことが重要となります。
※ボンデ処理
リン酸塩皮膜処理は、冷間鍛造業界では リン酸塩皮膜+石鹸処理としてプレス加工時の潤滑材として使用されるもので、SECC材の表面処理に施される物とは異なります。銃に使用する薬莢(やっきょう)のプレス加工時の加工性を上げ、焼付き防止を図るためドイツで開発されました。
金属塑性加工.comを運営する高橋金属では、プレス機の上下軸による冷間鍛造加工を用いたコア技術の塑性流動加工技術、回転形式の型内ネジ転造加工技術を活用した工法変換提案により、皆様のコストダウン要望にお応えしてまいりました。
塑性流動加工技術とは、板鍛造プレス加工を用いて、最終形状を成型する技術です。冷間鍛造技術の一種となり、常温にて被加工材に荷重を掛ける事により材料の塑性流動を促し成型することが可能です。ファイバーフロー(繊維状組織)が切れない事と、圧縮加工による組織の微細化により高強度な製品を得る事が出来ます。 ダイキャストや鋳物製品は、切削加工が必要となりますが、切削レスとすることにより、工程短縮によるコストダウン・製造リードタイムの短縮が実現できます。先端金属加工技術研究所では、従来の焼結部品や鋳造部品の代替え工法として、塑性流動加工技術の活用を提案しています。
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機械加工レスにて、プレス1ストロークで転造ネジを製造する技術です。当ネジ転造加工はM20~M50まで対応可能です。高精度プレス機を活用して、SPHC材(熱間圧延鋼板)を使用した板鍛造工法によるネットシェイプ成形が可能となりました。また、プレス機械の上下運動エネルギーをカム機構により水平運動に変換して、3本のネジ転造ダイスがセットされたワークに押し付けることで、製造リードタイムの短縮が可能となります。 以前から、ねじ加工には転造加工は用いられてきました。切削ねじに比べて、①強度が強く②切削しないことにより歩留まりが高いという特徴があり、ねじ製造における主流になっています。しかし、従来のねじ加工は、プレス加工と転造加工の同期化が難しく、約4秒/個の生産能力となっていました。 その課題を解決したのが、型内ネジ転造加工技術です。プレス・転造加工の同期化を可能とし、同一工程でプレス・転造加工が可能なため、1~2秒/個での製造が可能となります。当技術により、ネジ加工における生産スピードが大幅に向上したため、一個当たりの製造コスト削減も実現しました。
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当コラムでは、塑性流動成型加工の1種である冷間鍛造加工についてご説明させて頂きました。当社は、冷間鍛造加工によりネットシェイプやニアネットシェイプを可能とすることで、大幅なコストダウン、高品質化、製造リードタイム短縮を実現してきた実績がございます。現状の工法を見直して、QCD全ての面で工場を図りたい皆様、お気軽に当社にご相談ください。
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