板金加工:アーク溶接について
本記事では、板金加工における「アーク溶接」についてご紹介しています。ぜひご覧ください。
せん断加工には被加工材に穴を抜く、穴抜き加工があり、その金型を穴抜き型と呼びます。穴抜き加工は、ピアス加工と呼ばれる事も有ります。(レーザ加工ではピアッシング加工と呼ぶ穴あけ加工が有ります)
穴抜き加工は、製品の仕様に合わせて丸形、四角、楕円、異形形状等を穴抜き型により加工をします。
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上図は固定式ストリッパ構造の穴抜き型で、被加工材はストリッパで押さえる事無く加工されるため、穴抜き加工を行った周辺は加工時の圧力により反り変形が発生します。製品精度を問われない製品の加工に用いられる事が多い金型構造です。
他に、可動式ストリッパ構造の金型もあります。製品の要求精度が高く、材料の板厚も比較的薄い製品は可動式ストリッパ構造の金型により、穴抜き加工時の反り変形の対策を行います。しかし、固定式ストリッパ方式の金型に比べ可動ストリッパ方式の金型では金型製作費用が高くなる事と、被加工材(製品)に直接ストリッパプレートが接触するため、打痕や傷と言った外観不良が発生しやすいと言った課題が有ります。
1~2mと言った長尺の製品に穴抜き加工を行う場合には、ユニセット金型(ハイセット金型)を使い加工を行う場合が有ります。
ユニセット金型は、C型形状のフレームにパンチ、ダイスが組込みまれており、パンチにプレス機で荷重を掛ける事で穴抜き加工が出来る構造になっています。この金型を、ブレーキプレスに取付けし加工する事で、長尺製品への穴あけ加工が可能となります。
製品設計により、曲げ部の近接した位置に穴を設定している場合や、絞り加工の縦壁となる面に穴がある場合には、穴あけ後に曲げ加工や絞り加工を行うと加工時の材料の変形で穴が変形します。また、シャフトを貫通させる機能を持たせている場合には、穴の同軸度の精度確保が難しいため、曲げ加工後に側面に穴あけを施す事で対応します。この場合には下図の様なカム機構を用いた金型により側面に穴あけ加工をします。
カム機構は、プレス加工の上下運動をカムにより横方向に変換する事が出来るユニットで、穴抜き加工以外にも曲げ加工でも活用される事が有ります。
上図の様に両側にカム機構を設ける事で、製品の同軸度を確保しつつ穴あけ加工が出来ます。製品の内側にダイスを配置するため、ダイスの形状に制約があり、適用範囲が限られますが同軸精度を必要とする場合には有効な金型構造です。
切断金型や穴抜き型では、プレス加工を行う事で金型のパンチ、ダイスが摩耗し「バリ」や「かえり」が発生します。また、メンテナンスを行わずに生産し続ける事で、パンチの破損やダイスの割れ、欠けが発生する事も有ります。この為、金型は定期的なメンテナンスを行い、品質の維持管理を図る必要があります。
「バリ」「かえり」はパンチ、ダイス角部が摩耗しダレることで発生します。このダレ部を研磨加工により除去することで「ばり」「かえり」の発生を防止します。定期的なメンテナンスを行うとパンチ・ダイスは研磨代が短くなり交換が必要となります、パンチは比較的交換が容易であり対応が取りやすいですが、一体型のダイスについては研磨によるメンテナンスで研磨代が無くなると全て作り変える必要があるため、メンテナンス費用が高額となる場合が有るため、下図の様なボタンダイを埋め込むことや、入れ子ダイスを製作し部分的にメンテナンスを行う事で、金型のメンテナンス性を上げる様な設計を行う場合も有ります。
金型の設計上ダイスのダイ刃先長さ(上図中B)は、再研磨代を考慮して決定します。例えば10万ショット毎にメンテナンス研磨を行い、1回の研磨代を0.2㎜とした場合に5.0㎜の再研磨代を見ると約250万ショットが加工できる事になります。また、被加工材の板厚にもよりますが、一般的にはスクラップは3~4枚程度がダイの中に溜まっている状態が良いとされています。
当記事では、穴抜き型についてご説明させて頂きました。以下にて、プレス金型・プレス加工に関するコラムを掲載しております。是非ご確認ください。
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