表面処理鋼板材接合技術とは、溶融メッキ鋼板材のような防錆・耐食性を高める目的で表面処理を行った材料を、安定的な強度で重ね溶接するプレス加工とファイバーレーザ溶接加工の複合技術です。
表面処理鋼板材の重ね溶接は、スポット溶接にて行うことが一般的です。スポット溶接の場合、メッキ成分が電極に付着し通電効率が落ち、接合不良が発生するリスクがありました。また、接合不良を防ぐために、定期的な電極の研磨やチップの交換が必要となり、溶接作業が長時間化します。ファイバーレーザ溶接による接合の場合には電極に手を挟むというような事故もなく、安全な作業が可能となります。
アーク溶接による重ね接合の場合には上側の板に穴を設けた部分を溶接で埋めるプラグ溶接や、スロット溶接が用いられまる。アーク溶接を用いて溶接をした場合には、メッキが溶けてガス化し溶接ビードを溶かして穴が空いてしまうことで、強度不良に陥ることが懸念されます。 また、アーク溶接は、t1.2以下の薄板など極小部の溶接には向かず、ファイバーレーザにて重ね溶接も行うことがありますが、ファイバーレーザにて重ね溶接を行うと、内部のメッキが溶け、溶接ビードより逃げてしまうためブローホールが発生し、溶接強度が不安定となります。
当社の表面処理鋼板材接合技術は、表面処理鋼板材同士に隙間が空くようにプレスにて成型し、ファイバーレーザにて溶接する際に発生するメッキのガスを逃がすことで、ブローホールの発生を防ぎ、安定的な強度を実現します。
従来、防錆性・耐食性が必要な場合に、複雑な溶接や重ね溶接、薄板の溶接が必要な製品については、ステンレスを用いていました。ステンレスは防錆性・耐食性に優れた材料ではありますが、材料コストが高いという難点があります。また、材料コストを抑えるために、防錆性・耐食性に優れる高耐食溶融メッキ鋼板(ZAM材)を用いることが多くなっていますが、ZAM材の溶接時には溶接箇所のメッキを取り除いたうえで溶接する必要があるため、一部で防錆性・耐食性が悪化する、もしくは後処理工程の発生で加工作業に時間がかかり、製造リードタイムが長期化するという課題がありました。
表面処理鋼板材接合技術を用いることで、ZAM材を始めとしたメッキ鋼板の安定的な溶接が可能となります。当技術により、防錆・耐食性が必要な場合にZAM材を選定できるため、材料コストを1/3に抑えることが可能となります。また、溶接箇所の防錆・耐食性を高めるための後処理工程も不要となり、製造リードタイムの短縮も実現できます。 また、スポット溶接を使用している場合、ファイバーレーザ溶接に変更することが可能となるため、溶接時間を2/3に低減することが可能となります。
先端金属加工技術研究所が開発した、表面処理鋼板材接合技術は、下記のメリットを提供します。
防水性・防錆性・耐食性が求められる加工品について、ステンレスからZAM材への材料変更が可能となり、材料コストが1/3になります。
スポット溶接からファイバーレーザ溶接への変更で、ブローホールの発生を防ぐため、接合不良ゼロを実現します。
スポット溶接からファイバーレーザ溶接への変更で、溶接時間が2/3に短縮できます。
先端金属加工技術研究所は、表面処理鋼板材接合技術を用いて製造した製品を、様々な業界に納入させて頂きました。事例を紹介させて頂きます。
先端金属加工技術研究所は、部品加工における製造コスト削減や高付加価値化・品質向上を可能にする技術開発に注力しています。その領域は、板金加工・プレス加工・パイプ加工・溶接加工・解析技術と5つの分野にまたがります。ねじ加工において、製造コスト削減や短納期化というご要望をお持ちのかた、是非お気軽にお問合せください。 また、当研究所ではお客様と共同開発したコア技術を多数持ちます。お客様のニーズと直に接することにより、皆様の課題を次世代の基盤技術で解決することが可能です。金属加工において、コスト面及び機能面でお悩みをお持ちの皆様、どのようなことでもお気軽にご相談ください。共同開発を含めたベストなご提案をさせて頂きます。
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