ファイバーレーザ溶接を用いた表面処理鋼板材のヘリ継手溶接工法は、亜鉛メッキ鋼板をはじめとした表面処理鋼板材を溶接する際に、ブローホールの発生を回避して高品質な接合を行う技術です。 この技術を用いることにより、気密性が求められる製品でヘリ接手溶接を行うこと可能となり、希望の機能を満たすことができます。
従来、気密性が求められる製品において表面処理鋼板材を用いて溶接を行う場合には、シーム溶接等が用いられることがありましたが、以下の課題がありました。
■ シーム溶接
シーム溶接の場合は部材の接合しろが必要となり、材料歩留まりが悪化する傾向にありました。
■ ファイバーレーザ溶接
表面処理鋼板材を対象にファイバーレーザ溶接を用いてヘリ継手溶接を行うと、溶接時の入熱によりメッキ成分のガス化が起こり、ブローホールの原因となります。これにより、気密性等を確保することが困難とされていました。
■ アーク溶接・ろう接
アーク溶接やろう接により気密性を持たせた接合を行うことが可能ですが、接合時の入熱により変形し、さらに、入熱することによりブローホールが発生する可能性があります。
当社の開発した、表面処理鋼板材のヘリ継手溶接工法は、ファイバーレーザを用いてブローホールの発生を回避しながら溶接できる技術であり、上記に示した従来接合方法の課題を解決できる溶接工法となります。
表面処理鋼板材が使用されるタンク等の気密性が求められる製品の場合には、前述したとおりシーム溶接等が用いられることが多くあります。しかし、シーム溶接の場合は部材の接合シロが必要で、材料歩留まりが悪化するため、コスト面で課題がありました。また、シーム溶接では接合スピードが遅く、生産性の点でも課題がありました。
当社の表面処理鋼板材のヘリ継手溶接工法を活用することで、ブローホールの発生を回避し、溶接時の変形不良を発生させない高品質なヘリ継手溶接が可能になります。ファイバーレーザを用いて全周溶接を行いますので、気密性が求められる製品において、ヘリ継手溶接が可能になります。
【シーム溶接と比較した場合のメリット】
・溶接しろが不要であり、材料歩留まりが向上する
・加工速度が速く生産性が向上する
・ヘリ接手溶接を行う形状にて、設計が可能となる
髙橋金属が開発した、表面処理鋼板材 ヘリ接手溶接工法には以下のメリットがあります。
気密性の求められる製品においてヘリ継手溶接が可能となり、設計の自由度が高くなる。
溶接しろが不要で材料歩留まりが向上し、コスト低減を実現できます。
ファイバーレーザを用いた溶接であり、加工速度が速く生産性が向上する。
先端金属加工技術研究所は、部品加工における製造コスト削減や高付加価値化・品質向上を可能にする技術開発に注力しています。その領域は、板金加工・プレス加工・パイプ加工・溶接加工・解析技術と5つの分野にまたがります。ねじ加工において、製造コスト削減や短納期化というご要望をお持ちのかた、是非お気軽にお問合せください。 また、当研究所ではお客様と共同開発したコア技術を多数持ちます。お客様のニーズと直に接することにより、皆様の課題を次世代の基盤技術で解決することが可能です。金属加工において、コスト面及び機能面でお悩みをお持ちの皆様、どのようなことでもお気軽にご相談ください。共同開発を含めたベストなご提案をさせて頂きます。
ファイバーレーザー溶接を用いた表面処理鋼板材 ヘリ接手溶接工法を持ちることで、設計の自由度が上がり、さらにコストダウン・生産性の向上が可能となります。
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